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1記事3日かかっていたSEO記事制作を、品質を落とさずに自動化した事例

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目次

ライターに依頼すると1記事あたり3日かかっていました。この制作期間を短縮しつつコストも下げたい、ただし品質は落とせない。これが今回の相談の出発点です。

美容医療系メディアを運営するクライアント様からのご相談でした。想定していた制作規模は月20本、金額にして30万円相当です。

加えて、医療広告ガイドラインに準拠する必要があり、既存記事と文体や構成が揃っていなければサイト全体として不自然になります。品質を落とさずに実現できるかが、そのまま依頼するかどうかの判断基準でした。

そこで、いきなりツール開発に入らず、先に品質を証明することから始めました。その結果と、構築したパイプラインの中身をまとめます。

開発の前に、品質を証明することから始めた

ツール開発を依頼するかどうかの最大の判断基準は「品質面を担保できるか」でした。仕組みの説明をいくら聞いても、実際に出てくる記事を見なければ判断できません。

そこで、お試しプランとして次の進め方を取りました。

  1. 5工程のプロンプトを、クライアント様の既存記事とライティングガイドラインに合わせてチューニングする
  2. 1キーワード(1記事)を、既存記事と同じ品質で制作する
  3. 既存記事に近いデザイン・レイアウトのHTML形式で納品し、仕上がりを実物として確認してもらう

テキストだけを渡すと、実際にサイトに載ったときの印象が伝わりません。既存記事に近い見た目で提示することで、「このまま自社の記事として出せるか」を判断してもらえる状態にしました。

この品質確認をクリアしたことで、ツール開発の依頼に至っています。 順番として、品質の証明が先で、開発はその後でした。

5工程で実際にやっていること

パイプラインは5つの工程に分かれています。1回の指示ですべてを任せると、どこかが必ず薄くなるためです。

そのため工程を分け、それぞれに専用の基準を持たせています。

SEO記事自動化パイプラインの5工程。キーワードを1つ登録すると、リサーチ・SEO記事制作・ファクトチェック・品質チェック・内部リンク設計の順に処理が流れ、Googleドキュメントに初稿が届く

① リサーチ

検索キーワード・競合サイト・検索意図・関連キーワード・動画などを分析し、記事制作に必要な情報を収集します。具体的には次を確認します。

  • 検索意図の分類(知りたいのか/やり方を探しているのか/比較したいのか/困りごとを解決したいのか)と、読者が読み終えたときに得ていたい状態
  • 競合上位5〜8サイトのタイトルと主要な見出し構成の一覧化
  • 競合が共通して書いている範囲(=そこだけ書いても差がつかない範囲)の特定
  • サジェスト・関連キーワード・共起語を10〜20件収集
  • 出典に使える一次情報(公的機関・公式ドキュメントなど)

上位表示されている記事が何を書いているかを把握したうえで、どの切り口で書くかを決める工程です。

② SEO記事制作

構成案・タイトル・本文・メタディスクリプションを生成します。

ここでは本文をいきなり書き始めるのではなく、構成案を先に作ります。見出しの構造が決まっていないまま書くと、話の流れが崩れるためです。

構成では、個別のトピックをH2に並べることを禁止しています。関連するテーマをグループ化してH2にし、その下にH3を2〜3個置く形です。H2やH3の直後にいきなり箇条書きや表を置くことも禁止し、必ず導入の文を挟みます。

いずれも、見出しだけが並ぶ記事は検索エンジンにも読者にも構造が伝わりにくくなるためです。

③ ファクトチェック

出典・数値・固有名詞・引用情報を確認し、記事の信頼性を高めます。

この工程は、記事を書く工程とは分けています。書いた本人が確認しても見落とすためです。

④ 品質チェック

SEO要件・可読性・E-E-A-T・文章品質・表記ゆれなどをチェックします。読みやすさと検索評価の両方を、独立した観点として検査する工程です。

見ているのは、リード文が前置きで始まっていないか、同じ見出しが重複していないか、1文が長くなりすぎていないか、根拠を示さずに断定していないか、といった点です。この工程は文章の推敲ではなく、基準に照らした検査として扱っています。

⑤ 内部リンク設計

既存記事との関連性を分析し、SEO効果を高める内部リンクを提案します。どの記事からどの記事へつなぐかを、記事単体ではなくサイト全体の構造として設計します。

リンクの入れ方にもルールを持たせています。同じURLを記事内で重複させない、最初の見出しより前には入れない、同じ段落に2本以上入れない、複数のセクションに分散させる、といったものです。

あわせて、アンカーテキストは「こちら」「詳しくはこちら」を禁止し、リンク先の内容が分かる4〜30文字にしています。誘導文とリンク先の中身が食い違っていないかも確認します。

すでに記事が溜まっているサイトで内部リンクを張り直す作業は、内部リンク構築AIエージェントとして別に切り出しています。

工程の追加やカスタマイズも可能です。実際に、キーワード取得APIとの連携、Search Consoleの掲載順位を見たリライト提案、WordPressへの下書き投稿といった要望に応じた拡張を想定しています。

品質をどう担保しているか

「AIで書いた記事」で懸念されるのは品質です。ここには4つの仕組みを入れています。

既存記事と1対1で比較して調整した

クライアント様の既存記事11本を、同じキーワードでツールに再生成させ、実物と1本ずつ突き合わせました。比較したのは次のような点です。

  • 見出しの型(「〜とは」「〜のメリット・デメリット」など、どの型をどこで使っているか)
  • 見出しの階層構造と、1つの見出しにぶら下がる小見出しの数
  • リード文の書き出し方と、結論をどこで示しているか
  • 内部リンクの置き方(本文中に溶かすのか、独立した行にするのか)
  • 表や箇条書きをどのタイミングで使っているか
  • 文末の言い回しと、1文あたりの長さ
  • 記事の締め方

こうした違いを洗い出し、13項目をルールに反映しています。

調整の効果も実測しました。ある記事の再生成では、本文が6,436字から8,010字に増え、用語へのリンクが2件から4件に増えています。

あわせて、誘導文とリンク先の内容が一致しているかも11件すべてで確認しました。

自動検査を通してから納品している

記事本文を機械的に検査する仕組みを用意しました。検査項目は次の5分類です。

分類見ている内容
業界ガイドライン準拠体験談・伝聞の引用、最上級や比較優良の表現、効果の断定、割引・煽り表現
記事構造・SEO同じ見出しの重複、見出しへのリンク埋め込み、リード文が前置きで始まっていないか、STEP見出しの表記ゆれ
内部リンク品質独立行の「関連:」形式になっていないか、誘導文にリンクが付いているか、リンク範囲がタイトルからはみ出していないか、同一セクション内でのURL重複
文章品質曖昧な文末(「〜とされています」)の多用、改行なしで文が連続していないか、根拠の数値を示さずに「この数値」と書いていないか、引用記法の誤用
混入検知生成過程の説明が本文に紛れ込んでいないか

各項目には重要度を設定し、重い指摘が1件でもある記事は納品対象にしません。この検査で13本すべて指摘ゼロになることを確認してから納品しています。

基準を満たさない記事は出力しない

生成の途中で書式が崩れた場合、そのまま出力せず失敗として扱います。見出しや表が欠けた記事が、気づかれないまま手元に届くことを防ぐためです。

これは実際に不具合が起きたあとに入れた仕組みです。修復処理が動かなくなったことに気づかず、複数の記事の見出しと表がまとめて失われたことがありました。

そこで、品質チェックを通らなければ出さない、という形に変えています。

業界のガイドラインをルールとして持たせている

医療広告ガイドラインについては、体験談の引用や効果の断定など、使ってはいけない表現をルール化しています。

判断に迷う表現は、クライアント様の既存記事で実際に使われている表現を基準にしました。ガイドラインの解釈だけで保守的に寄せると、既存記事より弱い文章になってしまうためです。

実際に一度そうなりかけたので、既存記事の実例を優先する形に戻しています。

導入すると何が変わるか

数値には測定条件を添えています。他の環境やキーワードでの再現を保証するものではありません。

項目内容測定条件
これまでの制作期間ライター依頼で1記事あたり3日クライアント様の相談時点での実績
キーワード登録から初稿まで約18分ある1件の実行時。Googleドキュメント出力までを含む
生成される本文の分量約8,600文字ある1本の記事での実測
記事の構成見出し8個・小見出し14個ほどある1件の実行結果。テーマや分量によって変わります
API利用料発生しないAPIキーを使わず、Claude Proのサブスクリプション範囲で動作する構成のため

外注コストの削減率については、SEO記事制作の自動化の実績ページに約80%と掲載しています。こちらは測定条件の詳細を記録していないため、目安としてご覧ください。

制作期間が短くなること自体より効果が大きいのは、同じ予算の使いみちが変わることです。月20本・30万円相当の制作費をかけていた場合、その予算で扱える本数が増えるだけでなく、既存記事のリライトに手が回るようになります。

もう1つは、担当者が張り付いている必要がなくなることです。指定した時刻に実行させておけば、完了した記事がGoogleドキュメントに届きます。担当者の作業は、キーワードを決めることと、できた記事に目を通すことに絞られます。

運用担当者1人で動かせる形にするまで

クライアント様には専任のエンジニアがいません。非エンジニアの運用担当者1人が自分で動かせることを意識して開発しました。

実際に進めてみると、自分用に動くものと他人が運用できるものの間には、想像より差がありました。

実際の画面がこちらです。左でキーワードを登録して実行し、右で進捗と出力履歴を確認します。

記事生成ツールの操作画面。左側にキーワード設定・登録済みキーワード一覧・予約実行日時の指定、右側に5工程それぞれの進捗状況とGoogleドキュメントへの出力履歴が表示されている 実際の操作画面(GoogleドキュメントのURLは伏せています)

工程ごとに Step1 から Step5 までの状態が出るようにしたのは、途中で止まったときにどこで止まったのかが分かるようにするためです。失敗した実行も履歴に残ります。

認証は相手のアカウントで完結させました。 Googleドキュメントへの出力は、クライアント様ご自身のGoogleアカウントで認証します。こちらのアカウントを経由しない形にすることで、運用をそのまま引き渡せます。

止められるようにしました。 実行の一時停止と中止を用意しています。一時停止は処理中の1本を最後まで書き切ってから待機し、中止は12秒以内に処理を打ち切ります。

打ち切るまでに時間を設けているのは、生成の途中で強制的に止めると書きかけの記事が失われるためです。

セットアップは1ステップずつ確認する形にしました。 必要な設定が足りない場合に何が起きるかが画面で分かるようにし、既存の設定を勝手に上書きしないようにしています。

納品はZIPファイル1つです。 インストーラーを同梱しているため、展開して画面の案内に沿って進めるだけでセットアップが終わります。

また、運用を始めてから記事のルールだけを調整したくなった場合は、その部分だけを差し替えられる構成にしました。

導入実績

この仕組みは、パッケージとしてもご依頼いただいています。実際にご利用いただいた方からの評価です。

ランサーズでのクライアント評価。「満足」の評価とともに、やり取りがスムーズで要望を丁寧に汲み取った提案だった、不明点も分かりやすく説明があり安心して任せられたというコメントが寄せられている ランサーズでいただいた評価(金額は伏せています)

仕組みそのものより、要望を汲み取る過程と、不明点をどう説明するかを評価いただいています。ツールを納品して終わりではなく、相手が自分で動かせる状態にするまでが仕事だと考えています。

どんな場合に向いているか

導入の効果が出やすいのは、次のような場合です。

  • 記事制作のコストや工数を削減したい
  • SEO記事の制作を社内で回せるようにしたい(内製化したい)
  • 品質を保ったまま、記事を出すペースを上げたい
  • 医療広告ガイドラインのように、守るべき表現のルールがある
  • 既存記事があり、そこに文体や構成を揃えたい

既存記事がなくても導入できます。 ある場合はそれに合わせてチューニングし、ない場合はライティングガイドラインや方針をもとに工程のルールを組み立てます。今回は既存記事があったため、そこに揃えるチューニングを行いました。

一方、次のような場合は別の進め方のほうが合っています。

状況おすすめの進め方
単発で1本だけ作りたいツールを持つより、記事そのものの制作をご依頼いただくほうが早いです
どんな記事を出すかがまだ決まっていない先にキーワード設計や記事の方針を固めるところからご相談ください
誰も確認せずに公開まで自動で通したい本パイプラインは、生成された記事に人が目を通す運用を前提にしています

判断に迷う場合は、今回と同じように1記事だけ作って品質を確かめるところから始めるのが確実です。仕組みの説明より、実物の記事を見たほうが早く判断できます。

よくある質問

AIで書いた記事の品質は実際どうですか

既存記事と同じキーワードで再生成し、実物と1本ずつ比較したうえで、文体や構成の違いをルールに反映しています。そのうえで自動検査を通し、指摘がゼロになることを確認してから納品しました。

まず1記事だけ作ってお見せする進め方を取っているのは、実物のほうが判断しやすいためです。

専門知識がない担当者でも運用できますか

非エンジニアの運用担当者1人が動かせることを意識して開発しました。インストーラーを同梱しており、セットアップは画面の案内に沿って進む形式です。日常の操作は、キーワードの登録と実行状況の確認が中心になります。

既存記事がなくても導入できますか

導入できます。既存記事がある場合はそこに文体や構成を揃えてチューニングしますが、ない場合はライティングガイドラインや記事の方針をもとに、工程のルールを組み立てます。

API利用料はかかりますか

かかりません。APIキーを使わず、Claude Proのサブスクリプションの範囲で動作する構成にしています。

自社の業界特有のルールにも対応できますか

守るべき表現のルールがあれば、それを各工程のルールとして組み込みます。今回は医療広告ガイドラインに準拠する必要があり、使ってはいけない表現をルール化しました。基準にしたい既存記事があれば、その表現に合わせることもできます。

生成された記事はそのまま公開できますか

人が目を通す運用を前提にしています。ファクトチェックと品質チェックの工程は入れていますが、公開前の最終判断は担当者が行う形が安全です。

まとめ

ライターに依頼すると1記事3日かかっていたSEO記事制作を自動化しました。キーワードを登録すると、リサーチから内部リンク設計までの5工程が流れ、約18分で初稿ができあがります。

時間とコストは、仕組みを持てば下がります。難しいのはそこではなく、出てきた記事が自社の記事として通用するかどうかです。

そこで今回は、既存記事と1本ずつ突き合わせて違いをルールに反映し、自動検査を通したうえで納品しました。基準を満たさないものは、そもそも出力されません。

同じことが自社でもできるかどうかは、記事を1本作ってみれば分かります。今回のクライアント様も、実物を見てから導入を決められました。

SEO記事制作の自動化をご検討の方へ

記事の制作コストを下げたい、社内で回せるようにしたい、品質を保ったままペースを上げたい。

どれか1つでも当てはまるなら、いきなりツールを作る必要はありません。まず1記事だけ試すところから始められます。

キーワードを1つ決めていただければ、貴社の既存記事とライティングガイドラインに合わせて5工程のプロンプトをチューニングし、記事を1本お作りします。既存記事に近いデザイン・レイアウトのHTMLでお渡しするので、そのまま自社の記事として出せるかどうかを、実物で確認していただけます。

ご相談はスポット開発支援で承っています。まずは1記事から、試してみましょう。

自分で組み立てたい方へ

この記事で紹介した5工程のプロンプトとツール一式を、そのまま配布しています。

貴社の記事に合わせたチューニングをこちらで行う場合は上記のご相談になりますが、その調整をご自身で進める前提であれば、パッケージをご利用いただけます。

  • 5工程のプロンプト一式(計470行)と、それを流すツール本体
  • Windows / macOS 両対応のインストーラー
  • 自社の文体に合わせる手順、実際に踏んだ不具合と直し方

SEO記事自動化パイプライン(note)

APIキーは不要で、Claude Proのサブスクリプションの範囲で動きます。

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